叶わぬ恋、届かぬ想い
07.関係
あまりに心地よくて、抱き合ったままの状態で湯船に浸かった。俺はバスタブの背に寄りかかって、風呂に入る前と同じように、風澄が俺に乗っている。さすがに俺はもう萎えていたのだけれど、風澄の中が良すぎて、抜きたくなかった。風澄もそうだったらしい。イった後の風澄のそこは、彼女が力を入れなくてもぎっちりと俺を包み込んで離さない。達した後は指でさえ抜くのに苦労するそこ。抜くときには必ずいやらしい声が出て、そのたびに、風澄が恥ずかしがるんだよな。そんな体勢で、話をしたり、触れ合ったり、キスしたりしながらゆったりと過ごす。だけど、激しい運動もしたことだし、あまり長く入りすぎると湯あたりを起こすから、もうちょっと浸かっていたい気持ちを押しとどめて、ふたりして風呂から出た。やっぱり、抜くときの声はいいな、なぁんて。そして、またお互いの髪を洗い流す。トリートメントと言えど、残っていたらよくないからな。念入りに。
上がってからも、風澄のことは俺がして、俺のことは風澄にしてもらった。俺が自主的にしつつ促(うなが)したからだけど、もう抵抗しない。慣れてくれると嬉しいんだけどな。それにしても、俺がこんなかいがいしく他人の世話を焼くなんてなぁ。自分で信じられないくらいだ。まぁ、さすがに俺の下着は自分で履いたけど。いつか、こんなことも風澄がしてくれるようになる日が来るだろうか……。
それから、一休みということで水分を摂ることにする。汗もかいたしな。それに、もうひと暴れするには休憩を取っておかないと、なぁんて。
アルコールは? と聞いたら、強くないんだけどと言いつつ果実酒を一杯。このまま寝るならナイト・キャップだな。生(き)のままロックで一口飲ませたら、渋い顔をしていた。そんな表情でも整ってるんだよなあ。本当、こんな綺麗な子が、よく俺のそばになんかいてくれるよな。別に俺の彼女じゃないけどさ。俺も見た目を褒められたことは多いけど、ここまで人形のように綺麗で、つくりもののように完璧じゃない。でも風澄はニセモノの美しさじゃない。生き生きとして、炎のように鮮烈だ。クールな外見と落ち着いた雰囲気とは裏腹に、ものすごく強情で、潔癖で、情熱的。そこが不思議なんだよな。
「ううう……苦いいぃ……」
「そうか? 甘いと思うけど」
水割りしてやってもまだ辛そうだ。アルコールの嫌いな子はこの味を苦いって表現するんだよな。俺には甘いとしか思えないけど。
「苦手なものは苦手なのよ。んーやっぱりやめといたほうが良かったかなぁ」
と言いつつ、ちびちびやってはいるものの、進みはやたらと遅い。うーん、本当に弱いんだな。もっと割ってやったほうが良かったかもしれない。
「全く飲めないんじゃないよな?」
「うん、飲めるけど味が嫌いなの。つきあうくらいはできるわよ」
「無理すんなよ。おまえがジュースでも、一緒に紅茶やコーヒーでもいいんだから」
「うん」
彼女は軽く口の端を上げ、目を細めて、にこっと笑った。
打ち解けた笑み。
だから、聞かなくてもわかる。彼女が今、俺のそばでリラックスしているということ。
知り合ってから、たったの二週間しか経っていない。けれど、共有した時間と親密度が必ず比例するというわけじゃない。一緒に過ごした時間を数えるよりも、一緒に過ごした時間で得られた安らぎのほうが、ずっと雄弁だ。
そんな時間を俺が与え、彼女に与えられ、共有しているのだと思うと、無性に嬉しい。
あんなに悲しい涙を、その胸のうちに秘めている彼女だからこそ。
こんな俺の考えも、風澄は傲慢だと思うだろうか……?
だけど、たとえそうであったとしても、こうして一緒に過ごす時間を、俺が幸福だと感じていることは事実だ。風澄がどう感じているかなんてわからないけれど、せめて、そのことだけは、わかっていて欲しい。
『君がいるだけで幸せだ』なんて、とても言えやしないけど。
風澄。
おまえは、俺にしてもらうばっかりなんかじゃ、決してないよ。
同じ時代、同じ国に生まれ、共に過ごせる。
そのことだけで、どれほどの喜びを与えられただろうか……。
そして、そばにいてくれる、そのことだけでも幸福なのに、彼女は俺に応えてくれる。言葉をかければそれ以上の言葉を、微笑みかければそれ以上の微笑みを返してくれる。
抱擁に、くちづけに、行為の全てに応えてくれる。
本当にしてもらっているのは、俺のほう。
俺は、風澄に与えられている以上に、風澄になにかできているのだろうか?
風澄が俺のことをどう思っているかなんて知りやしない。
だけど、もう、離れるなんて考えたくもない。
離れられるわけがない。
少なくとも、俺自身は。決して。
「あ……いけない……」
突然、風澄は額に手を当てて、目を伏せた。
「どうした?」
「っ、いた……頭痛くなってきた……」
だるそうな様子を見かねて声をかけると、風澄は両手でこめかみを押さえながら下を向いてしまった。酔いのせいだろうか、いきなり頭痛がきたようだった。
「え? って、それは寝たほうがいいんじゃないか?」
「ん……ごめんね……?」
「いいって」
そう言いながら、風澄の身体を支えてベッドルームに連れて行く。さっき乱しまくったままだから、心持ち綺麗にしなおして、彼女を横たえる。手を取ってみると少し熱かった。これもきっとアルコールのせいだろう。風澄は体温が低いから。なにしろ、まるで運動しないからなー、アレ以外は。なんて。
「どう?」
「うん、ちょっとガンガンする……あとね、心臓がばくばくするの。お酒飲むとなるのよ……それとも激しい運動したからかなあ……」
「おいおい」
笑っている場合じゃないんだけれど、ついつい苦笑してしまう。調子は良くないようだけれど、こんな台詞が出るくらいだし、それほど酷い症状じゃないようだ。アルコールを勧めた側としては、少しほっとした。いつものことらしいし、たぶん一晩休めば大丈夫だろう。
しかし、つまりは風澄にアルコールの分解酵素がないってことなんじゃないか? これはもう飲ませないほうがいいな。ちょっと残念だけど、仕方ないよな、こればっかりは。
「昂貴のせいだぁーっ」
「まぁ、そうだけど」
わかってるかね。それが俺のせいだっていうのは、俺にとっては嬉しいんだぜ?
「もぉ、すぐ意地悪するし、すぐえっちなことするし!」
確かに。だけど、いきなりどうした?
「かと思うと、怒ったり、拗ねたりするし、なのにまた優しくするし、もぉわけわかんない!」
ん?
どうした、逆ギレか?
なんか様子が……。
「元カレとどんなセックスしたかなんてどうでもいいじゃないの!」
「え?」
俺は、わが耳を疑った。
セックスって、おい、風澄の口から初めて聞いたぞ!?
「なんでそんなことセックスした後にわざわざ言うのよ馬鹿!」
「は……はい……」
しかも二連続ではっきりと。ヤバい。クる。つーかキた。終わったばっかなのにもう元気だよ……。そうだよな、してるんだよな俺たち……あたりまえか。それこそ、なにを今更だ。
「ふたりっきりでいるんだからつまんないこと言うなとか言ったの昂貴でしょ馬鹿!」
うっ。そうでした。すみません。
「男の人と一緒にお風呂になんか入るわけないでしょ馬鹿!」
「いや俺も初めてだったけど……」
「そんな恥ずかしいことしたがるの変態の昂貴だけだもんっ!」
「うっ」
痛い。そんな、さっきにひき続き二度もズッパリ変態呼ばわりしなくたっていいじゃないかあぁーっ。くそぅ。いえ、否定できませんとも、シクシク……。
「目隠しも、手錠も、後ろからも、立ってするのも、座ってするのも、ベッド以外も、みんなみんなみいいぃんっな、昂貴としかしてないんだから!」
知ってます、はい。……でもあらためて言われるととっても嬉しかったりします。あぁ、俺って本当に馬鹿かも……。今だって馬鹿馬鹿言われてるし。
「なによ、ずっと普通にしてくれなかったくせに!」
……反省してます。はい。
「だいたいねぇ!」
強い口調に、俺はつい、かしこまってビシリと姿勢を正してしまった。
すると。
「私のことどう思ってるのよ!?」
……え?
「昂貴は私のなんで、私は昂貴のなんなのよっ!?」
……え!?
「なんでいっつも意地悪するのに優しくするの!? どっちかにしてよっ! その上、変なこといっぱいするし、変なこと言い出すし、昂貴がなに考えてるんだか、こっちはサッパリわからないんだからね! だいたい、毎回毎回、私ばっかり見抜かれて、翻弄されてるなんて、ずるいよっ! もう、わけわかんない!」
えええ!?
「もぉ、昂貴なんか、きらあぁいっ!」
風澄は、そう言うと。
すぅーーー……と、寝入ってしまった。
ええと。
ええっと……
これは、どういうことだ?
『なんで意地悪するのに優しくするの!?』
……そんなこと、決まってるじゃないか。
意地悪するのも、えっちなことするのも、怒るのも、拗ねるのも。みんな。
好きだから。
そうでなきゃ、あんなふうに抱けない。何度もなんて、できない。俺には。
風澄を好きだからだよ。
ずっと、想っているんだけれど。
やっぱり、はっきり言葉にしなきゃ、伝わらないんだろうか。
いつか、言葉にする日が来るんだろうか?
『昂貴は私のなんで、私は昂貴のなんなのよっ!?』
「なんだろう、な……?」
大切なひと?
護ってあげたいひと?
抱きしめたい。そばにいたい。触れたい。
でも恋人じゃない。
俺たちは――。
だいたい、それを聞きたいのは俺のほうだよ、風澄。
おまえにとって、俺はなんだ?
「……大好きだよ」
Ti amo, Kasumi.
前にも言ったひとことを、今日も耳元でそっと呟いて、頬にくちづけ、その隣で眠る。ひとりで休ませようと思ったけれど、君の手が、俺の手を離してくれないから。
……もう一回したかったんだけどな。こればっかりは仕方ないけど、シクシク。
上がってからも、風澄のことは俺がして、俺のことは風澄にしてもらった。俺が自主的にしつつ促(うなが)したからだけど、もう抵抗しない。慣れてくれると嬉しいんだけどな。それにしても、俺がこんなかいがいしく他人の世話を焼くなんてなぁ。自分で信じられないくらいだ。まぁ、さすがに俺の下着は自分で履いたけど。いつか、こんなことも風澄がしてくれるようになる日が来るだろうか……。
それから、一休みということで水分を摂ることにする。汗もかいたしな。それに、もうひと暴れするには休憩を取っておかないと、なぁんて。
アルコールは? と聞いたら、強くないんだけどと言いつつ果実酒を一杯。このまま寝るならナイト・キャップだな。生(き)のままロックで一口飲ませたら、渋い顔をしていた。そんな表情でも整ってるんだよなあ。本当、こんな綺麗な子が、よく俺のそばになんかいてくれるよな。別に俺の彼女じゃないけどさ。俺も見た目を褒められたことは多いけど、ここまで人形のように綺麗で、つくりもののように完璧じゃない。でも風澄はニセモノの美しさじゃない。生き生きとして、炎のように鮮烈だ。クールな外見と落ち着いた雰囲気とは裏腹に、ものすごく強情で、潔癖で、情熱的。そこが不思議なんだよな。
「ううう……苦いいぃ……」
「そうか? 甘いと思うけど」
水割りしてやってもまだ辛そうだ。アルコールの嫌いな子はこの味を苦いって表現するんだよな。俺には甘いとしか思えないけど。
「苦手なものは苦手なのよ。んーやっぱりやめといたほうが良かったかなぁ」
と言いつつ、ちびちびやってはいるものの、進みはやたらと遅い。うーん、本当に弱いんだな。もっと割ってやったほうが良かったかもしれない。
「全く飲めないんじゃないよな?」
「うん、飲めるけど味が嫌いなの。つきあうくらいはできるわよ」
「無理すんなよ。おまえがジュースでも、一緒に紅茶やコーヒーでもいいんだから」
「うん」
彼女は軽く口の端を上げ、目を細めて、にこっと笑った。
打ち解けた笑み。
だから、聞かなくてもわかる。彼女が今、俺のそばでリラックスしているということ。
知り合ってから、たったの二週間しか経っていない。けれど、共有した時間と親密度が必ず比例するというわけじゃない。一緒に過ごした時間を数えるよりも、一緒に過ごした時間で得られた安らぎのほうが、ずっと雄弁だ。
そんな時間を俺が与え、彼女に与えられ、共有しているのだと思うと、無性に嬉しい。
あんなに悲しい涙を、その胸のうちに秘めている彼女だからこそ。
こんな俺の考えも、風澄は傲慢だと思うだろうか……?
だけど、たとえそうであったとしても、こうして一緒に過ごす時間を、俺が幸福だと感じていることは事実だ。風澄がどう感じているかなんてわからないけれど、せめて、そのことだけは、わかっていて欲しい。
『君がいるだけで幸せだ』なんて、とても言えやしないけど。
風澄。
おまえは、俺にしてもらうばっかりなんかじゃ、決してないよ。
同じ時代、同じ国に生まれ、共に過ごせる。
そのことだけで、どれほどの喜びを与えられただろうか……。
そして、そばにいてくれる、そのことだけでも幸福なのに、彼女は俺に応えてくれる。言葉をかければそれ以上の言葉を、微笑みかければそれ以上の微笑みを返してくれる。
抱擁に、くちづけに、行為の全てに応えてくれる。
本当にしてもらっているのは、俺のほう。
俺は、風澄に与えられている以上に、風澄になにかできているのだろうか?
風澄が俺のことをどう思っているかなんて知りやしない。
だけど、もう、離れるなんて考えたくもない。
離れられるわけがない。
少なくとも、俺自身は。決して。
「あ……いけない……」
突然、風澄は額に手を当てて、目を伏せた。
「どうした?」
「っ、いた……頭痛くなってきた……」
だるそうな様子を見かねて声をかけると、風澄は両手でこめかみを押さえながら下を向いてしまった。酔いのせいだろうか、いきなり頭痛がきたようだった。
「え? って、それは寝たほうがいいんじゃないか?」
「ん……ごめんね……?」
「いいって」
そう言いながら、風澄の身体を支えてベッドルームに連れて行く。さっき乱しまくったままだから、心持ち綺麗にしなおして、彼女を横たえる。手を取ってみると少し熱かった。これもきっとアルコールのせいだろう。風澄は体温が低いから。なにしろ、まるで運動しないからなー、アレ以外は。なんて。
「どう?」
「うん、ちょっとガンガンする……あとね、心臓がばくばくするの。お酒飲むとなるのよ……それとも激しい運動したからかなあ……」
「おいおい」
笑っている場合じゃないんだけれど、ついつい苦笑してしまう。調子は良くないようだけれど、こんな台詞が出るくらいだし、それほど酷い症状じゃないようだ。アルコールを勧めた側としては、少しほっとした。いつものことらしいし、たぶん一晩休めば大丈夫だろう。
しかし、つまりは風澄にアルコールの分解酵素がないってことなんじゃないか? これはもう飲ませないほうがいいな。ちょっと残念だけど、仕方ないよな、こればっかりは。
「昂貴のせいだぁーっ」
「まぁ、そうだけど」
わかってるかね。それが俺のせいだっていうのは、俺にとっては嬉しいんだぜ?
「もぉ、すぐ意地悪するし、すぐえっちなことするし!」
確かに。だけど、いきなりどうした?
「かと思うと、怒ったり、拗ねたりするし、なのにまた優しくするし、もぉわけわかんない!」
ん?
どうした、逆ギレか?
なんか様子が……。
「元カレとどんなセックスしたかなんてどうでもいいじゃないの!」
「え?」
俺は、わが耳を疑った。
セックスって、おい、風澄の口から初めて聞いたぞ!?
「なんでそんなことセックスした後にわざわざ言うのよ馬鹿!」
「は……はい……」
しかも二連続ではっきりと。ヤバい。クる。つーかキた。終わったばっかなのにもう元気だよ……。そうだよな、してるんだよな俺たち……あたりまえか。それこそ、なにを今更だ。
「ふたりっきりでいるんだからつまんないこと言うなとか言ったの昂貴でしょ馬鹿!」
うっ。そうでした。すみません。
「男の人と一緒にお風呂になんか入るわけないでしょ馬鹿!」
「いや俺も初めてだったけど……」
「そんな恥ずかしいことしたがるの変態の昂貴だけだもんっ!」
「うっ」
痛い。そんな、さっきにひき続き二度もズッパリ変態呼ばわりしなくたっていいじゃないかあぁーっ。くそぅ。いえ、否定できませんとも、シクシク……。
「目隠しも、手錠も、後ろからも、立ってするのも、座ってするのも、ベッド以外も、みんなみんなみいいぃんっな、昂貴としかしてないんだから!」
知ってます、はい。……でもあらためて言われるととっても嬉しかったりします。あぁ、俺って本当に馬鹿かも……。今だって馬鹿馬鹿言われてるし。
「なによ、ずっと普通にしてくれなかったくせに!」
……反省してます。はい。
「だいたいねぇ!」
強い口調に、俺はつい、かしこまってビシリと姿勢を正してしまった。
すると。
「私のことどう思ってるのよ!?」
……え?
「昂貴は私のなんで、私は昂貴のなんなのよっ!?」
……え!?
「なんでいっつも意地悪するのに優しくするの!? どっちかにしてよっ! その上、変なこといっぱいするし、変なこと言い出すし、昂貴がなに考えてるんだか、こっちはサッパリわからないんだからね! だいたい、毎回毎回、私ばっかり見抜かれて、翻弄されてるなんて、ずるいよっ! もう、わけわかんない!」
えええ!?
「もぉ、昂貴なんか、きらあぁいっ!」
風澄は、そう言うと。
すぅーーー……と、寝入ってしまった。
ええと。
ええっと……
これは、どういうことだ?
『なんで意地悪するのに優しくするの!?』
……そんなこと、決まってるじゃないか。
意地悪するのも、えっちなことするのも、怒るのも、拗ねるのも。みんな。
好きだから。
そうでなきゃ、あんなふうに抱けない。何度もなんて、できない。俺には。
風澄を好きだからだよ。
ずっと、想っているんだけれど。
やっぱり、はっきり言葉にしなきゃ、伝わらないんだろうか。
いつか、言葉にする日が来るんだろうか?
『昂貴は私のなんで、私は昂貴のなんなのよっ!?』
「なんだろう、な……?」
大切なひと?
護ってあげたいひと?
抱きしめたい。そばにいたい。触れたい。
でも恋人じゃない。
俺たちは――。
だいたい、それを聞きたいのは俺のほうだよ、風澄。
おまえにとって、俺はなんだ?
「……大好きだよ」
Ti amo, Kasumi.
前にも言ったひとことを、今日も耳元でそっと呟いて、頬にくちづけ、その隣で眠る。ひとりで休ませようと思ったけれど、君の手が、俺の手を離してくれないから。
……もう一回したかったんだけどな。こればっかりは仕方ないけど、シクシク。
To be continued.
2003.11.20.Thu.
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