叶わぬ恋、届かぬ想い

06.いばらの道


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 ぐったりと、俺の腕の中で息をつく風澄。満たされた表情。乱れた髪が顔や身体にはりついて、それさえもなまめかしい。しばらくそうしてくっついて余韻に浸り、それからシャワーをかけて洗い流した。その感触すら、達したばかりの彼女の肌には刺激となるらしく、びくびくと反応していた。
「ほんっと敏感だなぁ……」
「違うもんっ、昂貴がそうしてるんだもん!」
 なんて、ものすごく可愛いことを言ってくれたりする。うわっ、今のって、殺し文句以外のなにものでもないよなあ?
「嬉しいこと言ってくれるなぁ」
「んやあぁ! そんなつもりじゃないったら! だって本当にそうなんだもの!」
「余計嬉しいね」
 もぉいやぁ、なんて言ってる。
 風澄は、過敏症かと思うほど感じやすいタイプかと思ってたけど、そういうわけじゃなかったみたいだな。俺が特別だって言うなら、なんでもいいんだけれど。
 そんな会話を交わしながら、力の抜けたままの風澄を後ろから抱きしめていたんだけれど、そろそろ大丈夫そうだ。というわけで今度は俺のほうをお願いしてみることにする。
「じゃあ次、俺洗って?」
「ううう……んもー……」
 まだ脱力感の残る身体で立ち上がり、俺と場所を替わると、渋りつつも、自分からシャンプーを取ってくれた。今使っているものは、炭配合というのが気になって買ってみたんだが、ボディソープと同じラインにしてみようかな。風澄もこの香りは気に入っていたようだし、使うかもしれない。……いや、やっぱり買うのは少々恥ずかしいんだけどな。いいじゃないか、ふたりとも同じ香りって。……って、なに考えてんだか俺は。
 風澄は、指も綺麗だけど、手全体がとても綺麗だ。でもそう言ったら、指が少しだけ理想より短くてバランスが取れていないから、長く見えるように少し爪を長めにしているのだと言っていた。いつもマニキュア塗ってあるんだよな。綺麗にしてある。だらしなく欠けたり剥げたりしていない。あまり丈夫じゃないけれど、だからこそ塗っておくほうが保護になると聞いてから欠かさないようにしているのだそうだ。髪を洗うときは塗っているそれが傷みやすいから、かなり気を遣うらしい。でも、指の腹でしっかり洗ってくれた。ときどき、彼女の胸が背や首に当たって……だからヤバいって風澄。もしかして狙ってる?
「あのぉ……これ、やっぱり手でするの……?」
 ボディソープを手にとって、言いにくそうに聞く。
「もちろん」
「ううう……」
 そう言いながらも、やることはきっちりやるんだよな。風澄は俺を徹底主義って言うけど、こっちもなかなかのもんだと思う。なんていうか、中途半端が嫌いなんだよ風澄って。やるならやり通すべきだと言う。無理はしなくていいんだけれど、俺のために頑張ってくれるのは嬉しいな。
「っ……うわ……ヤバ……クるな、これ」
「ほんと? 私でもできるものなんだ」
 それって、洗えるって意味じゃないよな……感じさせるってことだよな。女の子じゃあるまいし、あんまりそういう声出させるなよ……恥ずかしい。って、今までさんざん風澄を啼かせてきたから、このままいくと仕返しにガンガン喘がされちまったりして……うわ、洒落にならないし。なんつぅか、嬉しいような、口惜しいような、複雑な気分だなぁ。本当に気持ちいいんだから仕方ないけど……。
「なんか嬉しいな、いつもしてもらってるばかりだから」
「え?」
 繊細な手の動きと共に、穏やかな言葉が風呂場に響く。
「だって、してもらうばっかりなんて嫌だもの、私も昂貴になにかしたいの。だけど、昂貴はひとりでなんでもできちゃうし、私は教えてもらうばっかりだし、私になにができるのかなって思ってたの。だから、私にも昂貴にできることがあるんだなぁって……嬉しい」
「……うん」
 風澄が、こんなことを言ってくれるなんて。
 俺だけが彼女のことを想っているわけじゃない。夢中なのは俺だけかもしれないけど、今はこうして、風澄なりに俺のことを考えてくれている。
 今、風澄の周りに、俺はいる。
 知り合ってから、まだたった二週間しか経っていないのに、もうこんなに打ち解けている。
 間違いなく、お互いにとってお互いが、今いちばん近しい人間。
「でも、本当はね、誰かのために……『誰かのためだけになにかができる』っていう考え方って、傲慢なんじゃないかとも思うの」
「……え? どういうことだ?」
「んー……なんて言ったらいいのかな……すごく説明しにくいんだけど……、どんなことでも、自分が、誰かのためになにかして、それを、そのひとに喜んでもらえることで、自分が幸せになるからするんじゃないかって……。結局は、なにもかも自分のためにしてるんだと思うし、なにもかも自分のためにしかできないと思うの。そうじゃなかったらおかしいんじゃないかなって……思い込みとか、押し付けになっちゃうもの。それじゃ違うよね」
 どんなことも、『自分のため』にしていることで、『自分のため』にしか、できない。
 彼女はそう言い切ってしまう。
 『ありがた迷惑』という言葉がある。どれほど相手のことを思いやってしたことでも、相手にとって嬉しいことだとは限らない。
 思い込みか、押し付け……。
 もし、風澄にとって俺がそういう人間だったらとても悲しいだろう。けれど、無理して喜んでくれていたりしたらもっと嫌だ。
 だけど、その可能性をわかっている上で、それでも彼女になにかしたい。
 そういう気持ちになるのはどうしてなのだろう。
「あと、なにかして欲しくて、見返りを期待して相手になにかするっていうのも、どこか変だと思うの。やっぱり……なんだって、自分がしたいからするのよ」
 見返り……は、期待しているかもしれない。
 現に俺は今、彼女の身体に触れていい、たったひとりの人間だ。
 ……本当に欲しいのは身体だけじゃないけれど。
「それに、期待しちゃったら、そうならなかった時に辛いだけだし、相手に不満を抱いちゃう。期待しないほうがずっと楽だし、いいよね。だけど、期待しないで、ただ純粋に、なにかできるのかなって思って……。なんでもそういうふうにできたらいいんだけど、それは本当に、実際にできることなのかな……」
 期待……も、しているかもしれない。
 だいたい、期待せずにいられないだろう、こんなの……。
 俺は、彼女が誰を想っているのか知っている。
 でも、俺が彼女のそばにいてもいいのだとも知っている。今は。
 それだけで十分だと言い聞かせてる。
 時に辛くても、彼女の一番そばにいるのは俺なのだから。
「なにもかも自分のためにしかできないとしても、相手のことを考えずにはいられないし、なにかしたい。だから、そういうことを諦めるんじゃなくて、わかった上で、それでも相手になにかしたいって思いたいんだけど……でも、そういう時でも、自分はどこか余計なことを考えているんじゃないかなって、つい思っちゃって……。やっぱり、傲慢なのかな……」
 彼女はただ純粋に、相手への感謝をあらわしたいだけで。
 見返りを期待することさえ、自分に許さない。
 恵まれて生きてきたがゆえに、傲慢なのではないかと気にして、躊躇っては悩む。
 ……もし俺なら、そこに胡坐をかいてしまっているんじゃないだろうか?
 いや、事実そうだったんだ。
 できないことなど身の回りには数えるほどしか無く、しかも大抵のことは人並み以上にこなせた。まるで驕慢の化身のようだった俺。たいした挫折も苦労も経験せずに生きてきてしまった。この世が終わったような絶望も、身を引き裂かれるような悲しみも、まるで知らなかった。たったひとりの女性を心から想うことも、恋焦がれることさえも。
 そう、あの日風澄に出逢うまでは……。
 考えてみたら、俺はあの日から生きはじめたのかもしれない。
 俺を人間にした女神――。
「やっぱり、上手く言えないな……わかりにくいよね、なんて説明したらいいのかな……」
 いつも明瞭な発言をする彼女なのに、説明さえおぼつかないなんて。
 たどたどしくなるのは、慎重に言葉を選んでいるから。そして、彼女の頭の中でもうまくまとまっていないからだろう。
 だけど、言葉が拙いからと言って伝わらないわけじゃない。
 伝えたい気持ちばかりが先行していたとしても、その気持ちが伝わるだけでも違うのだ。
 だからこそ伝わるものもあるのだと、今、知った。
「……風澄」
「あ、ごめんね、なんだか語っちゃって。なに?」
「俺は風澄とこうしていられて、嬉しいけど?」
「……無理しなくていいのよ? 私がしたくてやってるんだから」
 俺が頼んだことなのに、したくてしているのだと言ってくれる。
 一緒に風呂に入るのも、手で洗うことも躊躇していたくせに、そんなことを言ってくれる。
 羞恥心より勝ったものはなんだったんだろう?
 そして、その理由は……。
「俺もしたくて風澄にしたし、風澄にされたい。それでいいよな?」
 少なくとも、俺の思いはわかってほしい。
 想いには気づかずとも。
「……うん」
 たとえお互いに想いが通じ合っている関係だとしても、人間が個体と個体で関わる限り、その想いが一方的なものでないとは決して言い切れない。
 まして、俺たちのような不確定な関係では尚更。
 身体を繋げてもひとつの個体になれるわけじゃないのと同じ。
 だけど、究極の意味では決して通じ合えないとわかっていても、相手の応答を求めてしまうのが人間の性(さが)で。
 たとえ伝わらないかもしれなくても、伝える努力をしたくなる。
 自分のしたことで、相手を喜ばせたいから。
 喜ぶ相手を見ることが、自分の幸せになるから。
 そんなふうに、相手の幸福を願って相手になにかをするのは、いけないことだろうか?
 自分を殺しているわけでも、相手に尽くそうと思っているわけでもない。
 ただ、そうせずにいられないだけ。

 こんなこと、今まで考えもしなかった。
 せいぜい怖気が走るか、くだらないと一蹴するだけだっただろう。
 だけど、風澄はそれを信じて、そうやって生きてきたんだ。
 だからこんなにもまっすぐなんだ。きっと。
 現実に何度打ちひしがれても、決して汚れてしまわない。

 風澄が恋を拒んできたのは、この性分のせいなのかもしれないな。
 ごまかしを嫌う潔癖さと、一途な頑固さ。
 そうでなかったら、あんなふうに自分のものでない男を想い続けたりはできない。
 叶わなくても、届かなくても、それでも彼女は想いを貫くのか――。

 ……損な性格だな。
 恵まれすぎるほど恵まれて生まれてきたというのに、楽なんていくらでもできたはずなのに、それでも彼女は自分でそのいばらの道を選ぶのだろう。
 決して平坦な道ではないとわかっていても。
 その柔らかな肌が傷だらけになろうとも。まっさらな心にどれだけ深い痕が残っても。
 自らの信じるものだけを信じて。

 俺にだってそうだ。なにもかも俺が勝手にやっていることなのに、彼女は俺の求めるままに応えてくれる。彼女にできる精一杯で。
 借りを返すとかじゃない。ただ、誠意をもって、感謝の意を伝えてくれている。

 切ないのにいとおしくて、胸が痛むのに、嬉しくてたまらない。
 つい半月ほど前には俺の存在すら知らなかったであろう、三年間も焦がれた女性が、今は俺のいちばん近くで、俺のことを考えてくれている。俺のためだけにしてくれている。
 たったひとり、求める相手が応えてくれることを喜んではいけないだろうか――?
 お互いがお互いをどう思っているかさえお互いに知らない。確かなものなどなにもない、明日壊れても仕方ないような脆い関係だけれど、一緒に過ごす時間の心地よさは知り尽くしている。この短い間に、不思議なほど。
 それは決して俺だけの思いこみじゃないよな……?
 聞いたわけじゃない。恋じゃなくても構わない。
 だけどこんなふうに彼女まで俺になにかをしてくれるのは。
 きっと。

「うわ……っ……やめっ……こら、風澄っ!」
 思いに耽っていた間にも、彼女の行為は止まず続いていた。いつの間にか慣れたのだろう、綺麗な手が、ソフトな触れ方で俺の身体を伝っていく。まるで愛撫するかのような、優しくていやらしい手つき。細くて長い指が、俺の身体を滑る。
 ちょっと待て。
 自分から仕掛けたことなのに、あまつさえ自分から望んだことなのに、俺のほうが余裕をなくしはじめているなんて。
「ふっふっふ〜、慣れてきたぞぉ。覚悟しておいてね?」
「くっ……っあ……」
 やばい、やばいよオイ。身体に触れられているだけなのに。男の性感帯が局部集中型だって言ったのどこの誰だよ!? 風澄っ、男は一度イっちまったら次はなかなかイけないもんなんだぞー、わかってるかー!? ここでイっちまったら、風呂でできないだろうがー! でも、そんなこと言ったら『精力の塊でしょあなたは』って返されるのか、そうか。それに、勃たなければ『昂貴の好きな変態プレイ』ができなくなって好都合だからとか? そりゃないだろ……風澄さん、男のロマンは叶えてよ……。でも、どれもこれも、風澄のせいだぞ? それも、わかってるか?
 そんなことを思っていたら。
「昂貴の喘ぎ声なんて初めて聞いた……」
 肩に手を置いて、耳元で囁く声。発情した、女の。
 胸当たってるって!
 だめだ。もうだめだ。
「風澄っ……」
「っきゃあ!」
 後ろを向こうとして風澄にぶつかった。ご、ごめん! しかも、もしかして今、むにっと当たったのは胸?
「っ、いたぁ……」
「うわっ、ごめん! 悪い! 大丈夫か?」
「うん、平気……って、いやあぁ! こっち見ないでえぇ!」
「え? ……あ」
 風澄が丸見えなのと(この期に及んでまだ照れるんだよこの子は……)、俺のが……ね、うん。いや仕方ないじゃないですか。こればっかりは。ねぇ?
「もぉ、早く終わらせるよ?」
「そーしてください」
 もう、そろそろ本当にヤバいから。
「はぁー、まいった。風澄、上手すぎ」
「ほんと? ちょっと嬉しいかも。……あ」
「ん?」
「あの……そっちの、前……は?」
「あ」
 そうか。そうだよな。どうしよう? やっぱり、自分でしたほうがいいよな。今のまんまじゃ、風澄になんかされたりしたら、すぐに終わっちまいそうだし。しかも風澄って、どう考えたって男のそれ、触ったことないよなぁ……まじまじと見たこともなさそうだ。このまんまじゃお願いしてもフェラなんかしてもらえないだろうなあ。……って、なんてことを考えてるんだか俺は。でも風澄に口でしてもらうって……うわ、想像しただけですごいクる。実現したらどうなっちまうんだろう。……してくれるだろうか。無理か……。いや、ふたりでするの気持ちいいし好きだぜ? でもこれまた男のロマンってものが!
「いいよ、今日は自分で洗うから」
「そう? 良かった」
 あからさまにほっとした声で言うから、ついいじめたくなるんだよな。自分でそこを洗いながら、ついでに全身も一緒に流す。
「次は逃がさないからな?」
「ええぇ? だ、だって、触れないよそんなの……」
「なに言ってるんだよ。何度も風澄を可愛がってあげてるのにさ、コレで」
 俺の言い方もどうかと思う。オヤジかね。まぁ風澄よりはオヤジに近いですから。
「やだやだやだやだ言わないでえぇ!」
「風澄の中に、これがすっぽり埋まっちまうんだぜ?」
「いっ……いやあぁーっ!」
 頭抱えて叫んでる。耳まで真っ赤だ。
「そうして、ひんひん泣いて悦んでたのは誰だっけ……?」
「いや、やめて、聞かない、聞かないったら!」
 耳をふさいでも、真っ赤になってるから聞こえてるのはわかってるよ。
「そういえば、ついさっきまで全部入ってたんだよな……?」
 ぴくり、と身体が震える。思い出したんだろう、風呂に入る前の『対面座位』の、あの深く抉られる快感を。
「今から、また……入っちまうんだよな……?」
 諦めたように、でなければ――期待して、心待ちにしているかのように、風澄はもう反応しなかった。
 対面座位はさっきしたから、今度は風澄だけ座らせてするかな。俺は暢気(のんき)にもそんなことを考えて、俺は下を向いている風澄を抱き上げてバスタブに入った。風呂のへりに座らせて、俺の準備を整えて、そして。
「……挿れるぞ……」
 脚を開いて彼女の身体を抱え込む。風澄の両手は俺の肩に添えられ、息をついた。俺は風澄のしとどに濡れたそこを見据えて、指でまさぐり、襞(ひだ)を広げて、ずぶり、と先端を差し込んだ。
「っやあああぁああぁ!」
 風呂に入る前に何度も達し、さっきまた達したばかりのそこは、言葉で攻められたために更に潤っている。俺を受け容れる準備は万端だ。声ももう言葉になっていない。俺は一気にねじ込んで、抜き差しを始めた。慣らす必要もなかったから、最高速なほどの急ピッチで。
「っ、く……っは……ぁ……か、っ……すみっ……」
「ふあぁん、あぁん、こぉきっ……こぉきいいぃっ!」
 バスルームに反響する、グチャグチャという音。絶え間なく響くシュッシュッと出し入れする音。浅く張った湯の跳ねる音。そして高らかに響く嬌声(きょうせい)。部屋でしているときも部屋中に反響している気がしたけど、バスルームはその比じゃない。とんでもなくいやらしいその音、その情景に、頭まで真っ白になる。快感一色で染めあげられる。
「ひんっ……ひぃん、っ、ふ……やっ、あっ、はあぁん!」
 ひんひん言っていた、という表現の通り、本当に風澄は啼いている。よっぽど感じているのだろう。しかめられた眉、震える目、だらしなく開かれた口唇がその証拠だ。その表情はまるで整ってなどいないのに、普段より美しく見えるのはどうしてなのだろう。普段の面影もない、あさましいほど素直な反応。呆れてもおかしくないほどの痴態のはずなのに、応えてくれれば応えてくれるほど嬉しくてたまらない。乱されれば乱されるほどますます妖しく漂う色香に俺まで乱されていく。バスルームに充満している女の匂いにあてられて、頭がクラクラする。背中に刺さる爪の痛みさえ快感を増していく。身体に残る赤い痕は、俺が風澄の身体に残したくちづけの痕と、風澄が俺の身体に残した爪の痕。それは、お互いの身体に残る薔薇色の情交の痕――。
「かす……かすみっ……ぅあ……っ」
「こぉきいぃ……こぉきいぃ!」
「ぅあ……っ、一緒に……っイこう……っく、か、すみぃっ……」
「あぁん、っああぁん、こぉきいぃひん! あっ……やぁ、ああああぁ……!」
 俺のそれは、思い切り欲望を吐き出して、果てた。やっぱり、あんまりもたなかったな。そして俺は、ぴったりと包む熱い内壁にくるまれて、その壁が激しく収縮を繰り返すのを感じていた。薄い膜越しでだったけど。
 風澄の中で。
Line
To be continued.
2003.11.15.Sat.
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