最悪の巡り逢い

01.三度目の夏


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* Kasumi *
 地球の運行が変わらない限り、365日経てば同じ日が来る。当然のごとく同じ季節もやって来る。私がどこで立ち止まっていようと、変わらない。
 あれから三度目の夏が来たのに、私はいまだに立ち止まったままでいる。今の私はあの頃の彼よりも年上なのに、私はいまだに三年前のまま。たった二つの年の差が遠く大人に思えたあの頃。自分でなってみれば変わらないと気づくのに、あの頃はそう思えなかった。だけど今も私はまだまだ未成熟な子供のまま、三年前に繋ぎ止められている。あの日あの時私の時間は止まってしまったから、いたずらに日々を過ごすだけで何も成長してはいない。外見も中身も変化しているはずなのに、心はあの時のまま。
 秋に出逢って冬に近づき春に恋をして夏に終わった。十八の頃。それから驚くほどの年月が過ぎて、今度の秋には私はもう二十二になる。成人することさえ遠く思えた日々が今は更に遠い。二度と還らない日々。
 入ったばかりだった大学も既に最上級生となり、卒論のテーマを絞ったりしていた。生きながら死んでいるような気持ちでいたのに、あの頃の成績を見返しても変動はまったく見あたらない。むしろ学業に打ち込んだ結果が今かたちになろうとしている。なのにそのテーマさえ、彼から逃れられないでいる。

 私はいつになったら、彼を忘れられるのだろう。
 一生無理な予感さえしていた、二十一の夏。
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To be continued.
2003.09.11.Thu.
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